先日向かいの部屋の

台湾人YMに「どうして台湾では反日デモがないんだ、植民地にされてたのに」と聞いたら「国民党の仮想敵国が大陸だからだろ」という答えが返ってきた。そういういいかげんな反応が欲しかったわけではないのだが。しかし兵役経験者らしい答えとはいえる。あいつも大陸と台湾が一戦交えるとなったら予備役召集されるのだろう。
大陸ではネットの規制が多少緩んだようだ。日本の報道機関でも報じられたが、北京の今日の新聞や一部メディアにはデモのニュースが載った。全部の規制が解除されたわけではないようで、反日系のサイトにはまだ見られないところもある。その一方でブログの中にはデモのことを載せているものも散見される。それらのブログの日付を見ると、おとといあたりの日付になっているものがある。この辺の事情はおれにもよくわからない。ブログそのものが海外のサーバーを使っている可能性もあるけれど、どうなんだろうか。
とはいえ、ネットを見てるとうんざりしてくる。日本であれ中国であれ、ネットに書いてる人間の八割程度は好戦的な言辞を吐く。ウェブ上の文章には狂気が満ちあふれていて、おれの精神を害することおびただしい。心底うんざりだ。
現実の北京は平穏だが、おれの精神もさすがにそうしたネットの影響を受けているようだ。中国人の一挙手一投足が気になりはじめた。知り合いの中国人はいつもと変わらず接してくれるから気にならないが、そうでない相手の場合は相手の視線の動き、わずかな表情の変化なんかに過剰な意味を読み込みそうになる。
いい加減にしてくれねえかな、と思っていたら今度は日本政府がガス田の試掘権を業者に与える手続きに入ったというニュースが入る。中国の報道も盛んだ。そろそろ勘弁して欲しいんだけどなあ。現在いろんなところで飛び交ってる憶測を現実にするつもりなんだろうか。五四運動の記念日までこの騒動を引きずるきっかけを与えるつもりなのか。日本にいれば危険もないし、気楽なものだ。
日本の右翼はこんな連中がほとんどだ。安全な日本の中で、日本人の機嫌を取ることしか能がない。そうした言動のせいでおれたち在外邦人がどうなろうと知ったことじゃないのだろう。現地の友人のほうが百倍頼りになる。