今日は普通の日記を

先日ホル長に頼まれて、とあるアルバイトをやってくれる中国人を探すことになった。おれはおれで、その頼みを友人の中国人に伝えたきりだったのだが、めでたく採用となったTがおれに礼をしたいという。伝言役以外何もしてないのにと思いつつ、まあ知り合いが増えるのはいいことだと思って食事をおごられてきた。
彼は日本文学をやっているそうで、村上春樹が好きだという。「研究のためにはポストモダンの勉強をしなきゃいけない」と彼が言うので、どうしても必要なものじゃないんじゃないかと尋ねたら「どの研究方法が良いか選ぶには、あらゆる研究方法を知っておかないと比較ができないから」と言う。真面目なやつだ。
彼にもちょっとだけデモのことをたずねてみたのだが、彼は「国が後ろで操っていそうな気がする」と言った。中国人の口から官製デモ説を聞いたのはこれが初めてである。彼の友人の何人かは、当日暇で退屈だったから参加したそうだ。やれやれである。
休みが近づいて、帰省や旅行に行く人間が目立つようになった。向かいの部屋のYMは近々日本に行くらしい。あいつの日本語ははなはだ怪しいものだが、日本に友人がいるということだから大丈夫だろう。いい遊び場を紹介しろといわれているのだが、どこを推薦してやるべきだろう。おれはおれで、未だにどこへ行くか決めていない。知り合いの留学生が、九寨溝は素晴らしいとか言ってたのが気になっているくらいだ。
遊び友達の一人が、帰国するとき空港まで送ってやると言ってくれた。やはり持つべきものは友、しかも車持ちだとなお良い。おれの帰国は、今のところ七月末を予定している。