話がかみ合ってないですね

公私などという巨大かつ曖昧な論点はおれにはよくわからないのですが、まさか提督氏とて、日本や諸外国の公務員が全員高潔な人格者だとお考えのわけではないでしょうし、日本で起きている汚職事件を一つも御存知ないとは思えません。中国で賄賂が横行しているのは確かですし、おれもそうした話は数多く耳にしましたが、その理由は司法機関が独立していないという共産主義体制における制度上の問題に求めればすむことではないでしょうか。それと、14日の日記でおれが言いたかったことは、先のデモを中国のナショナリズムの発露だと捉えるべきだということではなくて、現代中国のナショナリズムは屈折しているという点です。提督氏がお考えのような、単純明快な傲慢さだと理解してよいものとは思えません。それゆえおれは「コンプレックス」という表現を用いたのです。近代以降の中国ナショナリズムは基本的に、過去の栄光と現在の悲惨という激しい落差の間ではぐくまれたものだと思います。まあこんなことはありふれた意見だろうとは思いますが。
靖国に関しては、どうもおれの意見を理解していただけていない気がしてなりません。失礼ながら、提督氏はおれが4月25日に書いた日記を読んでくださったのでしょうか。例えば、「基本精神」という字面だけでこちらの意見を理解しようとなされてはいませんでしょうか。基本精神とは、周恩来のスピーチに端的に現れた、中国の人民と日本国民とはいずれも日本の一部軍国主義者の被害者であるというもので、その見地から中国は賠償請求を放棄しています。こうしたことはすべて無知をわきまえたからには - Beijing日記に書いておきました。この基本精神についてはほかのサイトでもときおり言及されていますから、少し検索されてみてはいかがでしょう。ご自身のブログやサイトであればどんなことをお書きになろうとそちらの自由ですが、おれの日記で何かを議論したいのであれば、管理人たるおれの意見を理解する手間くらいは惜しまないで欲しいと思うのですが。
分祀したと嘘をつけとは一度も書いていないはずですが、噛み砕くとこういうことです。首相が公式参拝を続行するならば、分祀するべきでしょう。分祀をしないならば、公式参拝をやめるべきです。現状を維持して合祀したまま公式参拝をするというのであれば、最悪の場合、中国との国交と戦後賠償が再度問題化するでしょう。不況と累積赤字にあえぐ今の日本にこれ以上の負担を掛ける危険性を考えると、おれとしては現状維持が日本の国益にかなうものとは思えません。
遺族会の報道についてはご指摘感謝します。