これまた

先日中国人の友人と話していた時のことだ。たまたま話が台湾問題などに絡んできたので、調子に乗って「お前は6.4の時どうしてた?」と聞いてしまった。天安門事件の記念日である。彼は当時11歳だったそうで、そのころの彼の住まいは故宮の北東にあったという。一夜明けてアパートの下まで降りていくと、壁には弾痕が残っていたそうだ。その後彼は香港で行われた天安門事件の記念集会に出席したこともあるということだった。
そこまで言われてはおれも聞かずにはいられない。「共産党政権には不満だろう」と尋ねると、意外にもそうでもないらしい。海外にいる数多くの民主化運動家にはそれぞれ多くの問題点があり、一方中国には政治体制とはまた別種の問題があり、国外にいて現在の中国に疎いそれら活動家よりも共産党のほうがまともだというのである。一定以上の教育がありながら共産党に文句を言わない中国人は少ないという印象があったので、おれはちょっと驚いた。おれのメアドにも民主化運動団体を名乗るメールが来た事があるけれど、実態がどういうものかなんてホームページから分かるはずもない。せいぜい彼らの主張がわかるだけだ。
ただいつも疑問に思うのは、おれたち外国人相手だと彼ら中国人も政府に対する批判を言いやすいのではないかという点で、実際に中国人同士でいる場合、どの程度こうした話をするのだろうか。
そういえば、つい先ごろ趙紫陽が亡くなったときに大学の中から出なかったのはもったいなかったと今更ながら思う。実際に街中に行ってみれば、何か見られたのかもしれない。中国の報道は大抵偏向が掛かっていて、実際には日本のニュースを見ているほうがよっぽど情報量が多い。これはこちらにいる日本人ならみな知っていることだが、実際に体験する可能性をみすみす見逃すことは無かった。まあ本職のジャーナリストでもないおれがそんなことをしても別に得しないわけだけど。