愚痴っぽいですが

今日の昼間に帰省中の台湾人の友人とメッセンジャーで会話していたら、彼があるアドレスを教えてきた。見てみると南京大虐殺を扱ったページである。ブラックユーモアも結構だが、ほどほどにしてもらいたいものだ。
ところで、これは何人かの留学生が共通して歎いていたことだが、わざわざ中国まで留学するような人間は、大抵何らかの愛着なりあこがれなりを持っている。だからこそ中国に来るのだけれど、いざ来てみると今度は「お前たちは虐殺が好きなのか」とか言われたりする。そういうセリフに出くわすことを予想せずに中国に留学する人間はいないだろうけれど、それでもいい気分はしない。中国への愛着が原因で中国人の非難を浴びるわけだ。留学生の立場からすると、そういうセリフは日本国内でだけ威勢のいい事を言っている連中に言ってくれということになる。国際交流の理想と現実、などと言うと途端に陳腐になるが、こういう問題があることは事実であって、交流すれば直ちに何かが改善されるというものではない。とはいえ、交流しないよりはずっとましだ。
日本の大学で中国語を教えてもらった先生(彼は北京の出身)に言わせると、一年という期間は中国の悪い面が見え始めるくらいの時期だという。だから、一年で帰国する学生はたいてい中国が嫌いになって帰るそうだ。自分が思い描いていた中国と現実の中国のギャップに幻滅するということなのだろう。
幸か不幸か、おれは現実の中国に幻滅するほどには幻想を持っていなかった。これは『聊斎志異』を読んだことがけっこう大きいのだけれど、中国の人民は、あらゆる意味でタフに決まってるという確信があった。来てみれば全くその通りで、その意味では自分の予想と実際の中国との間にギャップを感じた事は無い。
とはいえ、戦争がらみのこととなるとさすがにちょっとしんどい。おれが受けてる非難などたいしたものではない、それは周囲の留学生から聞いて十分に理解しているのだけれど。