約束の、フウ属の話

水曜は授業が詰まってる。おれの身分では出席しなくても問題はないけれど、まあ出てみるとそれなりに面白い。日中の研究方法の違いとかが分かる。語学力が足りないせいでろくに聞き取れないときも多いが、一方で日常会話と比べればまだやりやすい。自分の専門に近いせいで、話の文脈が想像できるからだ。日常会話が難しいのはそうした文脈が掴みにくいからである。無論、語学力というのはその国の文化に対する理解の程度に左右されるということは知っていたけれど、体験してみるとまた違った重みがある。

となれば、相手の文化に対する理解を深めるためにも封ゾクのことを書くことに一定の意義を認めることができるだろう、などというつもりはないです。単純に興味本位で書いてるんですよ、おれは。

さて、それではいよいよ本題ですが、最初に断っておくとこっちでは基本的にその手の産業はすべて違法です。公安に踏み込まれたら当然捕まります。そのくらいですめばいいですが、去年国際問題に発展しかけた集団買○もまだまだ記憶に新しいことでしょう。病気の心配も大きいです。あちこちでエ○ズに関する看板を見かけます。そうしたことを承知したうえで、自分の行動を決めてください。そこから先はおれの関知する所じゃない。

こっちではセ○シャルなことはまだまだタブー視されているわけで、本屋に行ってもエ○本なぞ売っていない。雑誌の類は多少あるが、日本と比べればあんなものは○ロとは言えない。少し前に話題になった「上海ベイ○ー」という小説は、こっちの本としては異例の描写でおおいに売れたのだがその後発禁になっている。しかし後追いで同種の本が続々と出版されているそうだ。「上海○イビー」の作者はそうした風潮を堕落だとして批判しているが、説得力にかけることおびただしい。そういえばこっちでは渡○淳一の小説が大量に翻訳されているのだが、そのあたりに理由があるのかもしれない。

ネットがあるじゃないかと思う人もいるだろうが、一般的な中国の家庭では海外に接続できないと聞く。抜け道も多いようだけど。

一方で街中の有料トイレなどではしばしばその手の落書きを見かける。こういうところは世界中どこでも共通しているようだ。世界共通といえば、ちょっと高めのホテルに泊まるとマッ○ージを勧める電話がかかってくるそうだ。ただのマッ○ージでないことは「中国の娘は美人だ」とかいう売り込み方から明らかだ。

そうした普通ではないマッ○ージについてはもうひとつ聞いた話がある。知人が彼の友人と地方に旅行した時のことだ。歩き疲れた彼らはホテル内のマッ○ージ屋に何らの期待もせずに入った。価格表の一番高いやつが「一セット○○元」と表記されていて、疲れを取りたかった彼らはそれを注文したところ、なぜか受け付けの娘が含み笑いをしている。部屋へ移動してみると、彼女の笑いの意味が分かった……ということだ。こっちで諷ゾクに行こうと思うなら、基本的にはそうしたカモフラージュを見抜かなくてはならない。

これは「地○の歩き方」にすらほのめかしてあることだが、こっちのカラ○ケ店にはそういうところが多い。歌って飲んで、その後は店内を使うかもしくはテ○クアウトか、全ては交渉次第だと聞く。けっこう元手が要るようだ。友人の中国人はおれに向かって「日本人は歓迎されるぞ」とけしかけてくれたが、さすがにそんな資本は無い。チップが最低百元という「地○の…」の記述にはおれをびびらせるだけの破壊力があった。普通のカラ○ケもあることはあるが、選択を間違えた時のギャップはすさまじい。ちなみに先日台湾の留学生に見せてもらった日本製の動画の一つには、スタッフが上海のカラ○ケからお持ち帰りして云々という字幕がついていた。

驚いたのは理○店だ。店の奥にスペースがあるという話だが、お粗末極まりないらしい。ベニヤ板一枚で仕切られているという噂を聞いた。おれが北京について三日目くらい、胡同の中を歩いて散歩していたとき○髪店の娘から手招きされたことがあった。当時のおれは無知だったから、中にどんな世界が待っているかなど少しも知らずに、店の前を通り過ぎていた。あの時店に入っていたらどうなっていたことか。

別の知人はタクシーに乗っていたときに運転手と雑談していたところ、「200元でどうだ?」と持ちかけられたという。しかし、これは運転手への仲介手数料が含まれた金額のはずだ。実際に女が手にする金額はこの四分の一くらいとみなしてほぼ間違いないだろう。厳しい世界だ。またこういう話もある。先述のようにこちらではすべて違法になるのだが、一方で安全な場所も存在するという。地方の政治家が経営している店である。こうなると公安は立ち入りできないために安全だそうだ。当然その分値が張るのだろう。どこにそうした店があるのかはわからないのだが。

ところで、留学生仲間は口を揃えて「西安はすごい」と言う。駅を出て、一つ角を曲がるとそこは一大○楽街になっているという。けっこう美人もいるらしい。兵馬俑と歓○街、組み合わせとしてすごいものがある。

以上で、これまでにおれが聞いた話はだいたい書き尽くしたけれど、まだわからないことがたくさんある。都市部ではタブー視も弱くなってきているというが、今なお社会的な圧力は強そうにも見える。その一方で、人目をはばからないカッ○ルは日本よりもはるかに多い。この辺のことについては、またあとで書くつもり。