再び相部屋

ついに新しい相部屋の人が来た。短い天下だったなぁ…。今度はうまくいくといいのだが。
初日に三度目の故宮に行ったわけだけど、前にも書いたように故宮の中の本屋では本物のガイドブックを、外では海賊版を売っている。以前Nが来たときにその海賊版を買ったわけだが、実はもっと値切れたことが判明。最終的には20元まで下がった。Eがユースで会ったある日本人旅行者は、何を買うときにもまず「20元」と言うことにしているそうだ。それを思い出したので試してみたのだが、まさか本当にいけるとは思っていなかった。もっとも、おれは値切ることにしか興味がなかったので、値切るだけ値切っておいて買わずに帰ったのだが。
二日目に頤和園で見た芸は三種類と書いた。そのうちひとつは大道芸と書いたけれど、調べてみるとちゃんと名前があった。高チャオ(足偏に堯)という竹馬で、これも春節の伝統的な芸だ。こういう感じ。

獅子舞はこのとおり。アクションを見せるあたりが日本のそれとはちょっと違う。サーカスっぽい。

三日目の長城その他は、本来なら四日目に行くはずだったものだ。予定が狂って急遽変更したものだから予約も何もできず、頤和園の長距離バス乗り場から長城行きの旅游バスが出ていることだけはわかっていたので、朝早起きしてダメもとで頤和園に行ってみたところ、あっさりバスに乗ることができたのだ。
バスで行くメリットは安いというところにあるが(50元)、しかし団体行動を余儀なくされるというデメリットは大きい。自由に見たいところが見られないことも大きいのだが、それだけではない。前々から中国のツアーはろくなものじゃないという話は聞いていたが、今回身をもってそれを体験してしまった。とにかく時間にゆとりがない。一箇所に二時間かければ長いほうで、たいてい一時間とかで次の観光地に向かわされる。食事にいたっては20分だった。もう一つ例をあげると、たとえば今回のツアーにも十三陵の定陵が含まれていた。以前おれがEとNと三人で行ったときには二時間弱かけて全体を見たのだが、今回はきっちり一時間だった。地下宮殿に潜って地上に帰るとすでに35分経過している。博物館など見ていられない。結局、多少の出費はあってもタクシーをチャーターするほうがましだという結論に落ち着いた。
四日目にはWJと彼の彼女と四人で初詣に行ってきた。こちらでは廟会という。おれたちが行ったのは東岳廟、五岳の一つ、泰山を祭った廟である。ここも最近修復されたのだが、以前の荒れ果てた姿が写真に残っていて面白かった。敷地に転がる石碑、事務室に改造された堂、ここも政府機関が使っていたようだ。こんな大規模な道観に来たのは関帝廟以来なので、目に入るものがみな新鮮だった。道教のことは真面目に勉強しなくてはいけないはずなのだが。そういった硬いことは抜きにしても、周囲には出店が並び、臨時に設けられた舞台の上では芸をやっている。こういうところに来て初めて正月だという実感が湧いた。
もっとも、休みももうすぐ終わる。おれの留学も折り返し地点まで来てしまったわけだ。もうちょっとがんばらないといけない。