日本の報道を見てると

中国では反日デモが頻発とかいわれてるようだけど、とりあえずおれの日常は平穏そのものだ。中国のウェブ見てると「日本の常任理事国入りを阻止するために署名を」みたいな文章をよく見るけれど、かといっておれの身辺に何かが起きてるわけでもなく、今日も余裕でJolinのCD聞きまくってるわけなんですが。しかし、どうしてそんなに常任理事国になりたいのかなあ。面倒が増えるだけじゃないのか。
ところで、ときどき日本でみかける論調で「反日デモ中国当局があらゆる集会を禁じているなかで、唯一事実上公認されているものであり、中国人にとって反日デモは一種のガス抜きの効果を果たしている」というのがあるけれど、本当かねえ。鬱憤晴らしがしたいけれどできなくて悶々としていたら反日で祭りやってるから参加しよう、なんていう思考回路があるんですかね。あれはあれで本気というか教育のせいというか、そんな醒めた動機付けでやっているものとは思えない。
前にタクシーに乗っていたとき、ラジオでは中国の漫才(相声)をやっていた。全部は聞き取れなかったのだが、その演目が日本軍をネタにしていることだけは分かった。中国の反日感情というのはこういうレベルで育まれていくのかと思うとさすがに暗い気分になる。
まあデモを見たこと無いのに言ってもあれですが、少なくともおれが見聞きした限りでは、心底日本が嫌いな中国人というのは確実に存在するし、そういう人がデモに参加してるんだろうと思う。程度の差はかなりのものだけれど、一人一人の日本人に対しては特別嫌悪を持っていなくとも、少なくとも日本という国家をこころよく思わない中国人は相当多いように感じる。
とはいえ、個人レベルで知り合いになってしまえば、もしくは仲介してくれる中国人がいれば普通に応対してもらえる場合のほうが多い。ある程度の教養を持った中国人ならたいていそうだ。まあ例外もないではないけれど、中国人が礼儀を重んじるというのは事実だ。ただおれの印象では、中国人のいう礼儀というのは知人や友人に対して用いるものを指す、つまり、見知らぬ人間に対して使う礼儀はないと思ってるんではないかという気がする。中国人はなにかと「客気」を嫌うように口では言うけれど、実は中国の人間関係で一番重要なのは親しい間柄での気配りなんじゃないかと思われる。