レスです

今日は盧溝橋事件の記念日ですが、おれが一日大学の中にいたせいもあって、何かがあったかどうかすら知りません。天安門広場くらい行ってくれば良かったかもしれない。とりあえず、おれの日常は平穏です。
さて提督氏ですが、まあなんといいますか、ウェーバーなんて参照しないで単純に「共産党は不正の温床で、市場経済の発展を阻害している」という主張であればまだ理解できるんですが。無茶な背伸びをするせいで却って間違いだらけの文章を書くことになるくらいなら、そのほうがよっぽどましだと思うんですけどね。もっとも提督氏にはどこが間違いなのかお分かりでないのでしょう。そうした細かい点は後述するとして、まずは本題から行きましょう。
適材適所なんて思想は前近代から中国に存在しますし、事実儒者官僚たちは皇帝への意見書で頻繁にそうした人事を提案しています。儒者の文集を読めばすぐに見つかるでしょう。それに職分という思考も儒者たちお得意のものです。そもそも、適材適所みたいな考え方が無い文化などあるんでしょうか。
まあそれはさておき、中国が先進国並みになることが無いという点について。何の基準を以って先進国と言うかにもよるでしょう。GDPも総額と国民一人当たり平均では当然話が変わってくるわけです。一人あたりで計算するとなると、国民が13億もいてなおかつ地方ごとの差異が極めて大きい中国はどう考えても不利と言わざるを得ないし、総額であれば逆にその数が強みにもなりうる。もっとも、その労働力を活用できるだけの雇用を整備しなくては強みにならないわけですが。
ともあれ、それは歴史が最終的な審判を下すことで、おれにはまだ何とも言えません。ベトナムと中国が前代未聞の社会主義市場経済を始めてから、まだそれほど時間がたったわけでもないですし。もっとも中国は常々自国を発展途上国だと言っていますけどね。
ベトナムは詳しくないのでなんともいえませんが、この政策は少なくとも中国で一定の成果を上げていますし、そしてそれが同時に新たな社会問題を引き起こしているわけでもあります。おれが見聞きしたことを書いてみましょう。
以前にも書きましたが、北京の平均月収はおおよそ1300から1400元くらいだと聞きます。上海はもっと高いかもしれませんが、おれが行ったときには平均月収などの話はしなかったのでちょっと分かりません。深圳も相当のものでしょうが、おれは行ったことがないので何とも言えません。もっとも、この収入水準を上回る人間も相当数いる(13億人ですから)わけで、6000元(日本円で7万から8万くらい)の携帯とかががんがん売れていくわけです。一月に一万元稼ぐような人間も、数で言ったら少なくない。その一方で農村部では、一年の年収が1000元に満たない家庭すらある。中国の貧富の差はなるほどすさまじいものです。発展が生み出したゆがみというべきでしょう。
共産党政権のせいで商売が阻害されているという話は中国人からも聞いたことがあります。ただそれは、人材登用が不適切だとかいうことではなくて、ビジネスに制約があるという点が多いように思います。「こうすれば儲かると思うのだが、規制があって実行できない」とかいう感じです。無論これらは都市部、というよりも北京での話であって、ほかの都市や農村ではどうなのか、それはおれには分かりません。
おれがこれまでに行ったことのある場所でもっとも田舎だったのは、武夷から少し離れた五夫というところでした。世界遺産でもある著名な観光地の武夷から、水墨画そのものみたいな山を二つほど越えて、山間にあるいくつもの小さな町と田園地帯を抜けた先にあるところでしたが、途中の町をおれたちのバスが通るたびに、道路にテーブルと椅子を並べてトランプに興じるたくさんの人々が、物珍しそうな顔をしながら揃ってこちらを見ていたことが強烈に印象に残っています。彼らには大型バスさえ珍しいわけです。かつて中国が外国人に開放されていなかったころは、外国人がそこにいるだけで人だかりができたという話も思い出されるところです。ああした農村がこれからどう発展するのか、あるいは発展することがありうるのか、それはおれにも分かりません。あらゆる国家で都市部と農村の発展に違いが見られるでしょうから、このことを中国特有のものだと主張することはできませんが、中国ではこうした差異が際立っているということはできるでしょう。都市部は日本と比較してもそれほど激しく劣っているとは思いませんが、農村部の将来は確実に厳しいものでしょう。
以上のように、おれ自身中国の将来は決して楽なものではないと思いますが、少なくともそれは適材適所がどうとかと言う問題ではないですね。他の要因、例えば自由な競争を可能にする市場の未整備、都市と農村の差、人口問題、今思いつくのはこれくらいですが、ほかにももっとあるでしょう。ものによっては共産党の政策に責任があるでしょうし、必ずしもそうと言えないものもある。それら具体的な条件の克服ができるか否かこそが問題だと思うのですが。
レポートですが、あの要約に対応する本文が見つかりません。おれが思うに、あの要約は間違っています。台湾海峡に紛争が起きるとアメリカが巻き込まれる可能性があるということは述べていますが、仮想敵という表現を使うのは不適当だと思いますね。
首相については、すくなくとも常任理事国入りにとっては参拝がマイナスになっていると思います。それから逆にお尋ねしたいのは、参拝するとどんなメリットがあるのかということです。
それから、おれは専門が社会学でも経済学でもないですから一般教養の範囲でしかものを言えませんが、ウェーバー社会学の父だと思います。経済学と言うと、普通はアダム・スミスマルクスケインズなどが挙げられるのではないでしょうか。それとこれは皮肉でもなんでもなく思うのですが、提督氏は語の選択に気を使っておられない、もしくは勢いで書いた文章をそのままアップしていませんでしょうか。せめて一度は読み直してから投稿していただくほうが、提督氏ご自身のためでもあると思うのですが如何でしょう。